【コラム】なぜ看板がブランディングに効果的なのか？和歌山の7-ALTERが解説
takahashi-kyohei
はじめに｜情報だけではなく「印象」を伝えるメディアへ
かつて看板は、「お店の名前や業種を知らせる」ものでした。
しかし現代では、その役割が大きく変化しています。看板は今や、ブランドの“世界観”や“信頼感”を伝える印象形成のメディアとして重要視されるようになりました。
和歌山のような地方都市でも、ブランディングを意識した看板づくりに取り組む店舗や企業が少しずつ増えてきています。
実際に私たちが関わる現場でも、「ただ目立たせる」だけでなく、「世界観やイメージを伝えたい」というご相談が増えており、看板をブランド表現の一部として捉える動きが広がりつつあります。
本記事では、ブランディングの基本ステップに沿って「なぜ看板がブランド形成に効果的なのか？」を、国内研究の知見も交えて解説します。
1｜第一印象を決める“顔”としての看板‐認知と印象は一瞬で決まる‐
人が店や会社に抱く第一印象は、実は看板によって決まることが少なくありません。
看板の色・形・配置といった視覚情報は、「親しみやすそう」「高級感がある」「信頼できそう」といった印象に直結します。
特に印象的で魅力あるデザインは、通行人の注意を引き、記憶に残りやすいことが研究でも示されています（小山ほか, 2016）。
つまり、看板は単なる情報ツールではなく、ブランドの“入口となるのです。
テルヤ様：チャンネル文字
牛のシルエットで印象に残るデザインに
クラトキボクシングジム様：ファサード看板、ウィンドウシール
ウィンドウシールは所属選手のシルエットに
2｜「見やすさ」が信頼をつくる‐処理しやすい情報は好まれる‐
看板の視認性や情報整理のしやすさは、見る人に安心感や信頼感を与える要因となります。
これは心理学で「処理容易性」と呼ばれ、「理解しやすいものほど好意的に評価される」という法則に基づいています。
たとえば、文字が大きく読みやすい、情報が整理されている、色使いが明快である──
このような看板は「しっかりしたお店・企業」といった印象につながり、ブランドへの信頼感を高めてくれます。
角谷産業株式会社様：チャンネル文字
シンプルで目立つデザインに。無駄のないデザインが信頼感を与えます。
勝僖梅様：壁面看板
ロゴのフォントとカラーをメインとしたデザインに
3｜共感されるブランドへ‐地域と響き合う看板デザイン‐
地方都市では、看板が街並みや景観と調和しているかどうかがブランドの印象に強く影響します。
たとえば、歴史ある町並みでは落ち着いた色や素材が、自然の多い場所では温かみあるデザインが好まれます。
実際に、地域と調和した看板は、訪れる人に安心感や信頼感を与える効果があると報告されています（情報処理学会, 2016）。
つまり、「ただ目立つ」だけでなく、「地域に合った見せ方」がブランディングのカギとなるのです。
和様：木製看板・自立看板
地域ではないですが、建物に調和した看板に。
7-デザイン図鑑：切り文字ステッカー看板
こちらは架空の看板デザイン。和様同様、建物に調和したデザインに。
4｜ブランドを“体験”に変える‐デジタルサイネージの可能性‐
近年では、駅や商業施設を中心に**デジタルサイネージ（電子看板）**の導入が進んでいます。
動画や音声による表現は、視覚だけでなく感覚全体でブランドイメージを伝える「体験型」の手段として注目されています。
画面の構成や動きのテンポは、ブランドイメージや信頼感に大きく影響することが研究でも示されています（広島大学, 2020）。
ブランドストーリーを“伝える”から“体験”へ。 看板の役割が進化しています。
5｜SNSに映える看板が、口コミを生む時代に
SNSが日常化する中で、看板は「見るもの」から「撮って共有されるもの」へと変化しています。
写真映えするデザインや印象的な外観は、InstagramやX（旧Twitter）などで拡散され、自然な口コミ効果を生んでいます。
特に若年層を中心に、屋外広告（OOH）とSNSの親和性が高まっていることが報告されています（道山ほか, 2021）。
今や、看板はリアル空間での印象形成だけでなく、オンライン上でのブランド形成にも関わる存在となっています。
まとめ｜看板は印象づくりの入り口に
看板は、単に情報を伝えるだけでなく、企業や店舗の「印象」を形づくる役割を担っています。
視認性やデザイン、地域との調和といった要素が、見る人の記憶や信頼感に影響を与えることが、多くの研究でも示されています。
近年では和歌山のような地方都市でも、看板を通じてブランドの世界観や雰囲気を伝えたいという声が増えつつあります。
店舗や会社の顔ともいえる看板を、今一度見直してみるのも良いかもしれません。
もし、あなたの会社やお店の看板が「情報だけを載せたもの」になっているなら、
この機会に「ブランドを伝えるデザイン」へとアップデートしてみてはいかがでしょうか。
7-ALTERは和歌山で以下の看板のデザイン・製作・施工サービスを行っております。
お見積りは無料。ぜひお問い合わせください。
出典一覧
- 小山雅明・高橋由樹・椎塚久雄（2016）『“そそる看板”デザインの基礎的考察』
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjske/15/3/15_439/_article/-char/ja - 情報処理学会（2016）『街のイメージと調和した広告看板のデザイン法に関する研究』
https://ipsj.ixsq.nii.ac.jp/record/180600/files/IPSJ-Z79-7A-04.pdf - 広島大学（2020）『デジタルサイネージにおける画面デザインの研究』
https://hiroshima.repo.nii.ac.jp/record/2005630/files/diss_ko5432.pdf - 道山智裕ゼミ（2021）『OOH広告とSNSネイティブたる若者世代との親和性』
https://www.komazawa-u.ac.jp/~knakano/NakanoSeminar/wp-content/uploads/2022/03/道山智裕「OOH広告とSNSネイティブたる若者世代との親和性」.pdf
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